デルタ(Δ)の使い方

またデルタの話グワか?
アヒすけ、もう覚えたグワよ。

うん、デルタは重要だからしっかり覚えなきゃね。
明るい未来のために!

そうグワ!環境保護活動は大切グワ!
地球温暖化とか水質汚染とかでアヒルやカモが暮らせなくなると大変グワ!

それデルタじゃなくて、グレタさんだな。
やっぱデルタのこと覚えてないな?

ファガッ!?
ちょ、ちょっと間違っただけグワ!
もういいグワ!やってらんねーグワ!仏恥義理グワ!

あ、アヒすけがグレた・・・
さて、いつもの面白くないやり取りはこの辺にして、今回も前回に続いてグリークス(ギリシャ指標)のひとつ、デルタ(Δ)のお話です。
この記事を読めばアヒルでも 「デルタ(Δ)」を実際の取引でどう使うのかが分かるようになるカモ・・・
デルタ(Δ)について(復習)
デルタは「ー1~1」の範囲の値をとり、0に近いほうがオプションの値動きが小さくてリスクが低くなることまでを前回の記事で書きました。
では、実際の取引でデルタがどのような値をとって、どういう使い方をするのか概要について書いてみます。
デルタ(Δ)のプラスマイナスと原資産価格との関係
まず、デルタは原資産価格に対する変化の割合を表したものです。ということは原資産自体のデルタは1ということになります。
日経225オプションの原資産は日経平均株価です。よって、日経平均株価のデルタが当然1ということになりますが、日経平均株価は取引時間の9:00~11:30、及び12:30~15:00の間しか動きません。また値も「23,253.15」など細かい端数まであり、日経225オプションの原資産として比較するのがなにかと不便です。
よって(というわけではないでしょうが、)日経225オプションでは取引時の比較元の原資産としては、SQ算出期限が同じ限月の「日経225先物」が実質使われるようです。
※ちなみに日経225先物は10円刻みで分かりやすいというのもあります。
また、「日経225先物」にはレバレッジを10分の1にした、「ミニ日経225先物」があります。よって、先物のデルタは以下のようになっています。
日経225先物のデルタ = 1
ミニ日経225先物のデルタ = 0.1
デルタが「0.1」のオプションを買った場合は「ミニ日経225先物」を1枚買ったことと同じことになります。 また、デルタが「0.1」のオプションを売った場合は「ミニ日経225先物」を1枚売ったのと同じことになります。
同じように、日経225オプションで権利行使価格が違うコールオプションを2枚買ったとした場合、そのデルタがそれぞれ「0.3」「0.7」だったとしたら合計「1」ですので、「日経225先物」を1枚買ったのと同じことになります。
これが何の意味があるかアヒルにもわかるように書くと次の通りです。
デルタの合計値を見て、日経225先物の売買と比較すると、値動き(損得)の計算が簡単。
例えば、ミニ日経225先物(デルタ=0.1)は10円上がると1,000円の利益
デルタロングとデルタショート
デルタのプラスマイナスの関係を考えると少しややこしいです。オプションではコールオプションはデルタがプラス、プットオプションはデルタがマイナスです。日経225オプションで考えてみます。
- デルタがプラスのものを買うと、日経平均株価が上がれば利益、下がれば損失
- デルタがプラスのものを売ると、日経平均株価が上がれば損失、下がれば利益
- デルタがマイナスのものを買うと、日経平均株価が上がれば損失、下がれば利益
- デルタがマイナスのものを売ると、日経平均株価が上がれば利益、下がれば損失
これは頭がごちゃごちゃしますが、しっかり覚える必要があります。
また、
デルタがプラスの状態のことをデルタロング
デルタがマイナスの状態のことをデルタショート
といいます。
オプション・先物の売買と、デルタロング・ショートの関係をまとめます。
- コールオプションの買い ⇒ デルタロング
- コールオプションの売り ⇒ デルタショート
- プットオプションの買い ⇒ デルタショート
- プットオプションの売り ⇒ デルタロング
- 日経225先物買い⇒デルタロング(+1.0)
- 日経225先物売り⇒デルタショート(-1.0)
- ミニ日経225先物買い⇒デルタロング(+0.1)
- ミニ日経225先物売り⇒デルタショート(-0.1)
オプションはコールとプット、買いと売りでデルタが逆になります。最初のうちは頭が混乱しますがこれはしっかりと覚えましょう。というか慣れればすぐに覚えます。
それでは、このデルタロングとデルタショートはどう使うのでしょうか?
それは自身の現在のポジション(保持しているオプションやミニ225先物など)のトータルのデルタを計算することで、日経平均株価が上下に動いた場合に、どちらに動けばどれくらい利益や損失がでるのかがあらかじめ把握できるということです。
例えばトータルのデルタが0.3のデルタロングであれば、日経平均株価が100円上がった時にポジションは30円上がることになります。日経225オプションは1,000倍のレバレッジですので、30,000円の利益がでることになります。もちろんこれはデルタのみでの計算ですので、実際は他のグリークスの影響で異なってきますが、よほどの高騰や暴落ではない限り、デルタの影響がまずは最も顕著に現れます。
では、アヒル向けに簡単にまとめましょう。
ポジションのデルタの合計が
プラス ⇒ デルタロング (日経平均株価が上がれば利益、下がれば損失)
マイナス ⇒ デルタショート(日経平均株価が下がれば利益、上がれば損失)
デルタの合計値を見れば、日経平均株価が上下したときの利益(損失)の目安がわかる。

日経平均株価が上がる時はデルタロング、下がる時はデルタショートにすればいいグワ!!これで勝つるグワ!!

まぁそうなんだけど、その上下予想が全然当たらないから・・・。
それに、デルタだけで勝負するなら日経225先物を取引すればいい。

ファガ?じゃあなんでデルタが重要グワ?

オプション取引では自分がいまどれくらい日経平均株価の上下変動に対するリスク(危険度)を持っているかを知るためだね。
デルタヘッジとデルタニュートラル
デルタの値をみると原資産の価格変動がオプションの価格変動に与える影響度がわかります。
日経225オプションでは、日経平均株価の上下価格変動が日経225オプションの価格(プレミアム)に与える影響がわかるとともに、保持しているポジションのデルタの合計値をみれば、どれくらいの価格変動リスクを抱えているかがわかります。
では、なぜオプション取引ではデルタによって価格変動リスクを把握する必要があるのでしょうか?
それはオプション取引ではデルタ以外に価格(プレミアム)の変動を左右するものがあるからです。具体的には「セータ(Θ)」と「ベガ(V)」のことであり、タイムディケイとボラティリティの変動です。
オプション取引ではデルタの影響をなるべく受けないようにしてセータやベガから利益を得る取引手法がいろいろと存在しています。
このデルタの影響をなるべく受けないように調整することを「デルタヘッジ」、そしてデルタが0または、ほとんど0に近い状態のことを「デルタニュートラル」といいます。
日経225オプション取引では日経平均株価が上がっても下がっても儲けることができるやり方がある。そのためにデルタを調整することがある。
- 「デルタヘッジ」:デルタの値を0に近づけること
- 「デルタニュートラル」 :デルタの値がほぼ0の状態。
デルタヘッジに関してはそのうち別の記事で具体的な方法などを書きたいと考えています。

オプションはデルタを0にしても稼げるグワね。

うん、そこがオプションのすごいところ!

それなのに流星カモさんはデルタマイナスのミニ日経225先物売りで大損・・・

アッハッハッハ!
最後に
今回はデルタを取引においてどのように活用するのかについて、簡単に書いてみました。
さて、下のイメージ画像は、SBI証券のスマホアプリでの日経225オプション一覧でのデルタ値を表示している画面イメージです。手書きで赤線を引いている部分が各権利行使価格のオプションのデルタの値です。

このイメージを取得したときの日経平均株価は23,795.44でして、始値から約236円も下落しています。場が開いた時にはATMに一番近い権利行使価格は24,000円でしたので「ATM」がその位置になっていますが、イメージ取得時は ATMに一番近い権利行使価格は23,750に下がっていました。
日経平均株価が下落したことにより、権利行使価格24,000円のオプションはコールオプションはOTMとなりデルタ値が0に近づき、プットオプションはITMとなりデルタ値は-1に近づいていることがわかります。
このようにデルタは原資産価格の変動に応じて変動するものの、オプションを買う(または売る)際にはデルタの値をチェックしてからおくことが大事です。さらに権利行使価格は125円刻みですので、もし日経平均株価が125円上下に動いたらデルタがどれ位変動するのかの目安も、一覧から確認することができます。

デルタロングとデルタショートってどうしてロングとショートっていうグワ?

投資の世界では「買い」(上昇で利益がでる)ことを「ロング」、「売り」(下落で利益が出る)ことを「ショート」っていうんだよ。
由来は「買い」のほうが長期間保持することが多いからみたいだね。

「ロングシュート」はキャプテン翼の松山光くんの得意技グワ。
「イーグルショット」っと命名されてるグワ。
なんで「ダックショット」じゃないグワか?

さぁ・・・カッコよくないからだろ・・・
(「ロング」「ショート」がロングシュートに変換されたか・・・)
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