【初心者向け】オプション戦略:クレジットスプレッド(ブル・プット・スプレッド)

オプション
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クレジットスプレッド

アヒすけ
アヒすけ

ファガ?
クレジットスプレッドって何グワか?うまいグワか?

流星カモ
流星カモ

クレジットっていうのは、クレジットカードのクレジットと同じ。お金の信用貸し付けのことだね。

アヒすけ
アヒすけ

じゃあ、スプレッドって何グワか?
「たらこスプレッド」グワか?

流星カモ
流星カモ

それは食べ物に塗るスプレッドでしょ。
たらこスプレッド・・・食べてみたいんだが。

アヒすけ
アヒすけ

じゃあ、シュワシュワってした飲み物グワか?

流星カモ
流星カモ

それはスプライトでしょ。
だいぶわかりにくいボケだな。

ということで、オマケの「たらこスプレッド」はコチラ!

クレジットスプレッドとは?

クレジット( Credit )とはアヒすけとの会話であげたとおり、お金の貸し付けのこと。

そしてスプレッド(Spread)とは金融用語では売値と買値の差のことです。

ということで、クレジットスプレッドとは売値と買値の差し引きの結果、お金の貸し付けとなる(先にお金を受け取ることができる)オプションの買いと売りの組み合わせのことです。

★アヒル向けの例

オプション売り:1枚(100円)
オプション買い:1枚(50円)
⇒100円受取りで50円支払い
⇒50円手元に残る
手元にお金が残ることを「クレジット」という。

ちなみに逆は「デビット」という。

クレジットスプレッドは、先にお金を受け取るオプションの買いと売りの組み合わせなので、いくつかの種類があります。

今回はその中でも売りと買いが同じ枚数で、同じ満期日のプット側で組むクレジットスプレッドについて書いてみます。なお、このスプレッドのことを「ブル・プット・スプレッド」「バーティカル・ブル・プット・スプレッド」というようです。

バーティカル・ブル・プット・スプレッド

前述したとおり、売り買い同枚数のクレジットスプレッドでプットオプションで組むものを「バーティカル・ブル・プット・スプレッド」といいます。

ここで先頭に「バーティカル」とついてるのは、同じ期間(満期日が同じ)のオプションの組み合わせということです。

また、「ブル」というのがついているのは、強気(=相場が上昇すると利益になる)ということを表すものです。

ちなみにブル・プット・スプレッドは相場が下落しても売ったオプションの権利行使価格に届かなければ利益になるので、流星カモの感覚としては「ブル」というのはどうも合わないような気もします。

で、結局以下がプット側で組むクレジットスプレッドの代表ともいえる「バーティカル・ブル・プット・スプレッド」です。

★アヒル向け説明

【バーティカル・ブル・プット・スプレッド】

  • プットオプション同士
  • 期間(満期日)が同じ
  • ここまでは下がらないと思われる権利行使価格のプットオプションを売る。
  • 更にそれよりも下の権利行使価格のプットオプションを買う。

スプレッドの具体例

それでは例をあげて実際にスプレッドを組んでみます。この時にどのような順で組むのかですが、流星カモのやり方をベースに順を追って説明していきます。

  1. プットの売り側の権利行使価格を決める。
  2. プットの買い側の権利行使価格を決める。
  3. プットの買いを行う。
  4. プットの売りを行う。

プットの売り側の権利行使価格を決める

まずは売る側のプットオプションの権利行使価格を決めます。

この時、満期日(SQ)まで絶対にここまでは下がらないであろうと考える価格を選定します。

もし、満期日(SQ)まで保持しないつもりであれば、決済する期日を考えて、その期日までに絶対にここまでは下がらないであろうという価格を選定します。

当然、オプションの価格は現在の日経平均株価に近い権利行使価格のものほど高くなり、利益も大きくなりますが、その権利行使価格まで日経平均株価が下落するリスクも高くなります。

プットの買い側の権利行使価格を決める

売り側の権利行使価格が決まったら、次は買い側の権利行使価格を決めます。

買い側の権利行使価格は売り側より更に下の価格なので、絶対にここまで下がらないと考えている範囲です。

ここは、利益とリスクの天秤です。売りと買いの権利行使価格を離すほど利益は大きくなりますが、万が一、急な大暴落が来て損切り決済できない場合には、権利行使価格を離すほど最大損失が大きくなります

よってなるべく、 売りと買いの権利行使価格は近いものがいいと思います。オプションの権利行使価格の最小値幅は125円ですので、売りと買いの権利行使価格の差を125円にしておけば、最大損失はかならず125,000円以内に収まります。(ただし利益も小さいです)

プットの買いを行う

ブル・プット・スプレッドを組む場合は、プットの買いをまず行います

なぜ買いから行うかは、売りは損失無限大であり、売りを入れたタイミングで暴落の引き金となる事象が起こると一気に損失がでる可能性があるからです。オプションの値動きは非常に速いです。

また、証拠金についても先に買いをいれておけば少ない証拠金で売りを行うことができます。

買いについては指値でも成行でも構いませんが、必ずそのオプションの板の状況をみてどこで約定しそうかを考えて注文を行います。

ここでは例として日経平均株価が20,500円のときに、指定株価(権利行使価格)が19,750円のプットオプションを225円で買います。

SQ時点での損益図は以下のようになります。

プット19,750を225円で買った損益グラフ

【プットオプション19,750の買い 】
価格(プレミアム):225円
購入時の支払い:225,000円
最大損失となる日経平均株価:19,750円以上
利益が発生する日経平均株価:19,525円超過

プットの売りを行う

プットの買いが約定したらすみやかに売りを行います。

ここでもたもたしていると、買いの価格が変動して最初に想定した差額と変わってしまうので、売り注文は成行で行うか、そのオプションの板の状況をリアルタイムで見て(PCで2画面開くか、PCとスマホを使用)必ずすぐに約定するであろう指値で注文を行います。

ここでは例として日経平均株価が20,500円のときに、指定株価(権利行使価格)が20,000円のプットオプションを290円で売ります。

SQ時点での損益図は以下のようになります。

プット20,000を290円で売った損益グラフ

【プットオプション20,000の売り 】
価格(プレミアム):290円
購入時の受け取り:290,000円
最大利益となる日経平均株価:20,000円以上
損失が発生する日経平均株価:19,710円未満

完成したブル・プット・スプレッド

結果として完成したブル・プット・スプレッドの損益グラフは以下のようになります。

完成したP20,000買い+P19,750売りのブル・プット・スプレッドの損益グラフ

ブル・プット・スプレッド
※「P20,000売り+P19,750買い」
購入時の受取り:65,000円
最大利益:65,000円(日経平均株価20,000以上)
損益分岐:0円(日経平均株価 19,935円)
最大損失:-185,000円(日経平均株価19,750以下)

今回の例に関する注意

今回の例では値幅を分かりやすく大きくするため、290円のオプションを売っていますが、290円もするプットオプションは日経平均株価が到達する可能性がかなり高いです。
残存期間と個人の相場観・リスク選考によりますが、通常、ブル・プット・スプレッドでは100円以下のオプションを売るのが安全だと考えます。

メリットとデメリット

クレジットスプレッドの代表でもあるブル・プット・スプレッドのメリットとデメリットを考えてみます。

メリット

メリットとしては以下の通りです。

  • 損失限定
  • 勝率が高い
  • 動きが緩やか
  • コール側よりは利益が取りやすい

損失限定

暴落時にも損失が限定されるというのは大きなメリットであり、精神的な負担も少ないです。

勝率が高い

もともとオプションの売りは勝率の高い戦略です。スプレッドを組みタイミングの日経平均株価から、売りを行うプットオプションの権利行使価格を離せば離すほど勝率が上がります。9割越えも普通に狙えると思います。

動きが緩やか

日経平均株価が大きく高騰したり下落した場合でも、買っているプットオプションが売っているオプションと逆の動きをして吸収するため、スプレッドとしての損益の動きが非常に緩やかになります。

よって日経平均株価が少し位動いてもほとんど損益が動かないため、ある程度ほったらかし気味にすることができます。あまりハラハラドキドキすることがありません。(もちろん、暴落時は対応が必要です。)

コール側よりは利益が取りやすい

プットオプションは一般的にコールオプションに比較すると価格(プレミアム)が高いです。よって、コール側で組むクレジットスプレッドより利益幅を大きくしやすいです。

デメリット

デメリットとしては以下の通りです。

  • 利益が小さい
  • 損切りが難しい
  • 退屈

利益が小さい

プットオプションは権利行使価格を低くすればするほど受取り価格(プレミアム)が少なくなります。

リスクを考えるとなるべく権利行使価格の低いプットオプションを売りたいのですが、更に下の権利行使価格のプットオプションを買う必要があるので、利益はかなり少ない戦略となります。

損切りが難しい

売ったプットオプションはもともと「ここまで日経平均株価が下がらないであろう」という思いで売りを入れたものなので、ある程度損失が膨らんでも耐えようとしてしまいがちです。

また、万が一、売ったオプションの権利行使価格に到達しても満期日(SQ)でそれ以上であれば問題ないと考えてしまうかもしれません。

更に損失限定なので、最悪でも最大損失額に収まるのでという理由で損切りを行わずにSQ日を迎えるかもしれません。

しかしながら、1度最大損失を受けてしまうと、たいていその額は1度の最大利益の10倍以上になってしまうので取り戻すには大変な時間と労力が必要です。

退屈

相場が平穏なときは非常に退屈です。

もともと相場をやるタイプの人間はある程度のリスクを好む性質があるので、退屈すぎるとついリスクを大きくとったり、別の高リスクなものに手を出してしまいます。(プットオプションの裸売りだけはやめましょう)

最後に

今回はプットオプションでのクレジットスプレッドである「バーティカル・ブル・プット・スプレッド」について書いてみました。

このスプレッドは今のところ流星カモの主戦略になっています。コツコツドカンを食らわないように地道に慎重にやっていきたいと思います。

アヒすけ
アヒすけ

ブル・ドック・スプレッドは利益は小さいけど勝率が高いグワね!

流星カモ
流星カモ

ブルドックは犬だ、ブルプットだな。

アヒすけ
アヒすけ

油断してると噛みつかれるグワね!

流星カモ
流星カモ

だからそれはブルドックだ!
まぁ確かに油断すると痛い目にあうカモ・・・

オマケ

「バーティカル・ブル・プット・スプレッド」メモ(自分用)

指標状態備考
デルタプラス
ガンママイナス
ベガマイナス
セータプラス
  • IVが高い時(目安20以上)かつ、下がりそうなときに仕掛ける
  • 出来るだけコール側でも仕掛け、アイアンコンドルにする。
  • 満期日まで短いほうがセータで利益が出る。
  • 損切は最大利益額の3倍の含み損が目安か・・・?

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