コールの売りについて
前回までコール買いとプット買いをみてきたので、次はコールの売りだね。
オプションって、なんで持ってないのに売れるグワ?
うーん、それはちょっと難しいけど、オプションは権利の売買だから。
権利を使うことができる人は、その権利を売れるんだよ。
それならアヒルと遊ぶ権利を売ればいいグワッ!
きっと儲かるグワッ!
いや、だれも買わんだろ・・・
オプション取引の基本戦術:コールの売り
オプション取引には基本的には以下の4つの取引があります。
コールの買い | 損失限定・利益無限大 | |
コールの売り | 損失無限大・利益限定 | ★今回のまとめ対象 |
プットの買い | 損失限定・利益無限大 | |
プットの売り | 損失無限大・利益限定 |
今回はコールの売り (以降、「コール売り」と記載) についてまとめてみます。
損益グラフ
まずはコール売りの損益をグラフでみてみましょう。
グラフの前提条件は以下の通りです。(手数料は無視しています。)
- 日経平均株価が20,000円以下のときに、50円で満期日の指定株価20,000円のコール売り
【損益グラフのポイント】
- 満期日の日経平均株価が20,000円以下の場合、50,000円の利益(利益限定)
- 満期日の日経平均株価が20,050円超過の場合、損失が比例して増加(損失無限大)
- 満期日の日経平均株価が20,000円より上でも20,050未満では得(売却価格の方が大)
コール売りの方法と特徴
コールを売るのは普通に株の信用売りのような感じで、売り注文をすればオッケーです。
下の図は証券会社の日経225オプション一覧のイメージです。
赤い四角枠がコールです。赤丸で囲っているのは、コール23250円を新規に売る場合はここから売り注文を出せます。現在値が11とあるのは価格が11円ということです。
コール売りの特徴としては以下の通りです。
- 売却対象コールの値段を受け取る(手数料は別途かかる)
- 証拠金が必要(少なくとも50万円程度)
- 値段はおおよそ約50万~1000円(満期まで残り1か月程度の場合)
証拠金って何グワ?
売ったオプションがもし値上がりすると損になるんだ。
その場合に備えて、あらかじめ損になるかもしれない分のお金を、ある程度預けておかないと「売り」はできないんだよ。
まぁ、何ごとも準備してなきゃダメだってことだな。
わかったグワ!
トイレットペーパーがないとウンチしちゃいけないってことグワね!
近いような、全然ちがうような・・・
てかアヒルはトイレットペーパーつかわんだろ!
コール売りのメリット
コール売りのメリットを3つあげてみます。
- 日経平均株価がどう動いても勝てる
- 勝率が高い
- 相場が荒れたとき儲けが大きい
日経平均株価がどう動いても勝てる
オプションの「売り」の最大のメリットがこれです。
コール売りの場合は、日経平均株価が「売ったコールの指定株価(権利行使価格)+売った時の価格」に届かなければ勝ちとなります。
このようにコール売りでは日経平均株価が上がっても下がっても勝てるという戦略が可能ですので相場の予想が苦手でも勝ちやすくなります。
勝率が高い
1つ目のメリットに書いた通り、日経平均株価がどう動いても勝てるということは、当然勝ちやすいということです。
普通の株の現物取引や信用取引、また先物取引やFXなどは上がるか下がるかの2択ですから、コインの裏表で賭けても勝率は5割です。
しかしながら、コール売りでは日経平均株価がどう動いてもよくて、売ったコールの指定株価に届かなければいいので、その勝率は非常に高くなります。
売った時の日経平均株価と、売ったコールの指定株価が離れれば離れるほど勝率は上がり、かなり離れた価格では勝率9割も夢ではないようです。(ただし離れるほど儲けは少なくなる)
相場が荒れたとき儲けが大きい
基本的にオプションの価格は、相場が荒れている(価格変動が激しい)ときほど、価格が高くなります。
これは別途そのうち記事にしますが、価格変動が激しいということは、オプションの指定株価(権利行使価格)に届く可能性が高くなるからです。
コール売りは、売ったときのオプションの価格がそのまま儲け(利益)になります。
よって、相場が荒れている時は、オプションを高く売れるので儲けが大きくなります。コール売りした後に次第に相場が落ち着いてくるような場合が、最も稼ぎやすいということになります。
逆に言うと、相場が落ち着いている時はオプション価格が安いので稼ぎが少なく、コール売りした後に相場が荒れると損失となる可能性が高くなります。
コール売りのデメリット
一方で、コール売りのデメリットを3つあげてみます。
- 利益限定
- 損失無限大
- 証拠金が高い
利益限定
コール売りの利益は、売ったコールオプションの値段がそのまま利益です。
なので、利益額は売った時点で決まってて、それ以上増えることはありません。
「一体どれだけ儲かるんだろう」というワクワク感がないので、夢が膨らみません。
損失無限大
オプションの売りの最大のリスクがこれです。
コール売りの場合は、日経平均株価が売ったコールの「指定株価(権利行使価格)+コールの価格」を超えてしまうと損失が発生し、日経平均株価が上がり続ければ無限に損失が増えていくのです。
しかも注意しないといけないのは、満期日前に日経平均株価が急騰などすると、売ったコールの価格も高くなり、自分が売った時の価格を上回った場合は、それが評価損として計上されます。
評価損が大きくなって、預けている証拠金が足りなくなると追証という証拠金の追加を求められてしまいます。
そしてもし証拠金の追加が出来ない場合は、コール売りは強制決済されて満期日を待たずにその時点での評価損が損失確定となってしまいます。
満期日になる前にいくら日経平均株価が上がろうとも、満期日に 「指定株価(権利行使価格)+コールの価格」 を超えていなければいいのですが、満期日前に日経平均株価が上がって評価損が大きくなると、多額の証拠金がないと満期日まで耐えられなくなるのです。
このあたりは証券会社などの初心者向け説明にはあまり詳しく書かれていないので、十分注意が必要です。
証拠金が高い
前述しているとおり、オプションの売りには証拠金が必要です。
オプションは1,000倍というレバレッジと、売りは損失無限大なので証拠金はかなり高いです。
コール売りに必要な証拠金の金額は、売るコールの指定株価(権利行使価格)によって違います。売る時点の日経平均株価から離れるほど証拠金は安くなりますが、10円のコールを売るにはおおよそで20万円程度の証拠金が必要です。
また、コール側はプット側より証拠金が高くなっています。
一般的にオプション売りをするには追証のリスクを考えると少なくとも50万円以上、通常100万円程度の証拠金がないと危険といわれています。
よってある程度の元手となる資金がないとオプション売りはできません。
最後に
ファガー!
コール売りは勝ちやすいけど、怖いグワね。
そうなんだ、しかも証拠金がたくさん必要。
証拠金あるグワか?
2018年に株で負けたからなさそうグワッ!
か、かろうじて・・・少しだけど
お金借りればいいグワ。
ちょっとウシジマくんのトコいってくるグワ!
いやそれ闇金でしょ!?
絶対借りちゃダメなやつだから!
オマケ
コール売りメモ(自分用)
指標 | 状態 | 備考 |
---|---|---|
デルタ | マイナス | |
ガンマ | マイナス | |
ベガ | マイナス | |
セータ | プラス |
- なるべくIVが高いとき(目安20以上)かつこの先落ち着きそうな時に仕掛ける
- 単体では基本的に仕掛けない(仕掛けるなら5円以下、またはデイトレ)
- 単体では損切の逆指値を入れる
- リスクヘッジのスプレッドを組む(基本はクレジット、カレンダー)
- レシオ系は損失無限大なので当面(証拠金と経験が積みあがるまで)やらない
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